カワハギ釣りにおける仕掛けの基礎知識|自作方法も紹介!

投稿者:ANGLERりゅーちょい

独特なゲーム性が人気のカワハギ釣りの仕掛けについて解説しています。カワハギは堤防釣りと船釣りのどちらでも楽しめるのですが、それぞれ仕掛けの内容に違いがあります。基本的に、船釣りは堤防釣りより水深が深く潮の流れが速いことを理解しておくと良いでしょう。また、カワハギ釣りの仕掛けは自作することができます。本記事ではシチュエーションごとの仕掛けの違いや仕掛けの自作方法についても解説しています。

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「カワハギ釣りをやってみたいけど、どんな仕掛けを使えばよいのかわからない」

「カワハギは堤防でも船でも釣れるって聞いたけど、仕掛けに違いはあるのかな」

身はもちろん肝まで美味なカワハギは、ゲーム性の高さも相まって、多くの人々に人気なターゲットです。

しかし、いざ釣ってみたいと思っても、どんな仕掛けを使えばよいのか分からないという
人も少なくないでしょう。

また、堤防釣りと船釣りで仕掛けにどんな違いがあるのか検討もつかないという人も多いはずです。

しかし安心してください。

当記事を読めば、上記のような疑問はすべて解消されます。

何故なら、カワハギ釣りに必要な仕掛けから、シチュエーションごとの仕掛けの違いまで網羅的に紹介しているからです。

また、「仕掛けを自作できると聞いたけど作り方が分からない」という人のために、カワハギ釣り用仕掛けの製作方法も紹介しています。

当記事を読み終わるころには、シチュエーションごとのカワハギ釣りにおける仕掛けの選び方や、自分好みの仕掛けを製作する方法まで把握することができるでしょう。

是非当記事を参考に、カワハギ釣りの楽しさを味わいましょう。

そもそもカワハギとは


カワハギ釣りについて解説する前に、カワハギの生息域や食性などについてお話ししていきます。

カワハギはフグ目に属し、味はもちろん、肝まで美味とされている魚です。

調理の際に皮が簡単にはがれることが名前の由来であることは知っている人も多いでしょう。

フグ目は泳ぎが苦手な分、棘や毒などで身を守っていることが多く、カワハギもその例に漏れず、頭に大きな棘が生えています。

生息地域は北海道以南


日本において、カワハギは北海道以南で全国的に釣ることができます。

比較的温帯の方が好みで、南側の方が生息数が多いです。

水深100mより浅いポイントのある程度岩礁があるポイントを好むため、堤防やおかっぱりでの釣りはもちろん、船釣りも楽しむことができます。

以外と悪食


カワハギは肉食性の魚で、意外にも悪食な魚になります。

多毛類や貝類、小型の甲殻類をはじめ、クラゲまでも捕食してしまうのです。

貝類や甲殻類については丸のみするのではなく、強固な歯を駆使して、ついばむように殻を砕いて捕食します。

基本的には、アサリやイソメなどを餌にした餌釣りで、海底に生息しているカワハギを狙っていくのがカワハギ釣りの基本です。

カワハギの生態が分かったところで、具体的な仕掛けについて見ていきましょう。

堤防でのカワハギ釣りの仕掛け


まずは堤防でのカワハギ釣りに使う仕掛けについて解説します。

堤防釣りで必要になる仕掛けは以下のようなものです。

  • ロッド:2m前後キス用かアジング・メバリング用のロッド
  • リール:2,000~2,500番程度のスピニングリール
  • ライン:PEライン1号程度
  • 仕掛け:市販のカワハギ用仕掛け
  • オモリ:ナス型オモリ4~8号
  • エサ:アサリ・イソメ・オキアミなど

普段は他の獲物を狙っている人でも用意しやすいものが並びます。

それぞれ見ていきましょう。

ロッド


ロッドは2m前後のキス用ロッドか、アジングやメバリングなど、軽めのルアーが扱いやすいものを選びましょう。

バスやシーバス用のロッドでもできないことはないですが、カワハギは独特のついばむような捕食方法のせいでアタリを感じづらいため、やわらかく感度の良いロッドの方がおすすめです。

リール


リールは他の釣りでも汎用性の高い2,000~2,500番程度のスピニングリールが扱いやすいです。

リールにはスピニングリールの他に大物を狙いやすいベイトリールもありますが、最大でも30㎝程度のカワハギに対してわざわざ使用するメリットは低いといえます。

また、ベイトリールは上手くキャストしないと『バックスラッシュ』という現象が発生し、ラインがリール内でぐちゃぐちゃになってしまうことがあるのです。

メリットが少ないのにわざわざ扱いづらいベイトリールを使う必要もないので、扱いやすいスピニングリールを使用しましょう。

ライン


ラインは1号程度のPEラインが扱いやすいでしょう。

基本的に、ラインは細ければ細いほど視認されづらいため、釣りでは有利に働くのですが、細過ぎるとヒット時に切られてしまうリスクがあります。

カワハギは個体の重量がそこまで大きくないことと泳ぎが下手なことから、ラインから切られるということは稀です。

よって上記のような細めのラインでも問題なく釣り上げることができます。

仕掛け


堤防釣りでは、市販のカワハギ釣り用仕掛けがあれば充分です。

カワハギ釣りで使う仕掛けは、胴付き仕掛けと呼ばれるものになります。

胴付き仕掛けは、ラインの先端に針が付いている一般的なラインと違い、先端にナス型のオモリを付けて使う仕掛けです。

針はメインのラインである幹糸から枝のように生えているハリスに付いています。

先端にオモリがあるため、海底に真っ直ぐ落ちるような形になり、ボトムに生息する根魚を狙うことが可能です。

後述しますが、胴付き仕掛けは自作することもできるので、慣れてきたら試してみましょう。

オモリ


オモリはナス型といわれるオモリを使いましょう。

オモリの重さは潮の流れによる煽られやすさと、リトリーブ(リールを巻くこと)のしやすさに影響してきます。

ポイントが3m程度で浅く、潮の流れが穏やかであれば4号(15g)のオモリで充分です。

水深や潮の速さによってだんだん重いもの選択し、船着き場などのようにある程度の深さがある場所では8号(30g)のオモリを使うと良いでしょう。

目安としては、仕掛けを垂らした時にメインのラインがある程度落ち着いていれば問題ありません。

エサ


エサにはアサリやイソメが良く使われます。

アサリには殻付きのものやあらかじめ剥かれているもの、冷凍のものがありますが、基本的にはエサ用で販売されている剥きアサリで問題ありません。

アサリの付け方は、針を水管に通した後、回転させながら足、肝の順番に通します。

しっかり3点を通さないと、アサリがすぐに外れてしまうので注意が必要です。

イソメを使う場合は、針に対して大きすぎることが多いので、状況に応じて切り身にして使いましょう。

市販のおすすめの堤防仕掛け


堤防釣りで使うカワハギ釣り用仕掛けは針のサイズが控えめのものが多く、後述する船釣り用のものより安価で購入可能です。

当記事では、おすすめの胴付き仕掛けを2品紹介します。

オーナー「波止カワハギ完全セット」


オモリまでセットになっている商品で、最初に購入してしまえば、オモリは次回以降にも使えます。

価格も安く、特に初心者が最初に使う仕掛けとしておすすめです。

  • 針:3~6号
  • ハリスの号数:2.5~3号
  • 全長:45cm
  • 値段:350円

ささめ針「ゴージャスカワハギ3本」


「ゴージャスカワハギ3本」は集魚版や集魚ビーズが至るところに装備されている仕掛けです。

見た目だけでなく、基本的な機能面でも安定感があり、強烈なアピールで誘いこんだカワハギをしっかりと釣り上げることができます。

  • 針:3~7号
  • ハリスの号数:2~3号
  • ハリス長:4cm
  • 値段:450円

船でのカワハギ釣りの仕掛け


次に船でのカワハギ釣りに使う仕掛けについて解説します。

船釣りで必要になる仕掛けは以下のようなものです。

  • ロッド:カワハギ専用の船竿
  • リール:小型の両軸リール
  • ライン:PEライン1号程度
  • 仕掛け:市販のカワハギ用仕掛け
  • オモリ:ナス型オモリ25~30号
  • エサ:アサリ

堤防釣りと比べると、同じ魚種を狙う割に違いが多いことが分かります。

それぞれ見ていきましょう。

ロッド


船でのカワハギ釣りでは、カワハギ釣り専用の船竿を使うのが良いです。

カワハギ釣り専用の竿はアタリが来た時に先端付近が中心にしなる先調子になっており、カワハギ特有の繊細なアタリでもしっかりと感じることができます。

竿のしなりが独特なため、他のロッドで代用することは難しいです。

リール


リールには両軸リールを使用します。

両軸リールは足元にラインを垂らすトローイングに向いた設計になっているリールです。

ベイトリールに見た目が似ていますが、ブレーキシステムなどが配されており、基本的にキャストをしないため『バックスラッシュ』の心配がないのが特徴になります。

ベイトリールと同じくラインを巻きとる力は強いので、25~30号のオモリを使う船でのカワハギ釣りでも、しっかりと釣り上げることが可能です。

カワハギ釣りでは150m程度のラインが巻き取れれば充分なので、小型のものを使用した方が疲れづらく有利でしょう。

ライン


ラインは堤防釣りの場合と同じく1号のPEラインで問題ありません。

2~3号のラインを使う人もいますが、太いラインは他の人とのお祭り(仕掛けが他人のものと絡まってしまう現象)を誘発します。

不要なトラブルを避けるためにも、ラインはなるべく細い方が良いでしょう。

仕掛け


仕掛けについては堤防釣りと同じく、市販のカワハギ釣り用仕掛けで充分です。

堤防釣りと違う点として、船釣りの場合はカワハギをおびき寄せるために集魚板や反射板と呼ばれる仕掛けを追加することが多々あります。

集魚板や反射板については後述します。

オモリ


堤防釣りと違い、船釣りで狙うポイントは水深が深く、潮の流れが速いため、オモリは重量のある25~30号(約94g~112.5g)のものを使用しましょう。

グラム数から見ても、仕掛け全体の重量が堤防釣りとは大きく違うことが分かり、ロッドやリールが堤防釣りと違う原因となっています。

エサ


エサはアサリを使います。

カワハギはアサリのワタが大好物で、かつアサリのワタはカワハギが食いつくのにピッタリなサイズをしています。

先述したアサリの付け方では、針先がちょうどアサリのワタの部分にくるため、ワタを狙って食いついたカワハギがヒットしやすいのです。

イソメも使えないことはないのですが、イソメはカワハギの口には大きすぎるため、中々針先がある部分に食いついてくれません。

アサリ以外の貝類も同様で、大きい貝類では針を避けられ、ワタのみを齧られてしまいます。

また、カワハギの食性を考えるとオキアミも候補に入りますが、オキアミはアサリに比べて、カワハギについばまれた際に崩れやすいので、エサ持ちが良くないのです。

以上より、カワハギ釣りのエサはアサリが最適といえるでしょう。

アサリの付け方は堤防釣りと同じく針先がワタの位置に来るように設置します。

もしアサリがやわらか過ぎて付けづらい場合、塩で締めてやると良いです。

市販のおすすめの船用仕掛け


市販のカワハギ釣り用胴付き仕掛けは様々なメーカーから販売されていますが、特に信頼感のある2品を紹介します。

ダイワ「快適カワハギ仕掛け ワンディパックSS」


釣り具全般でお馴染みのダイワから販売されているカワハギ釣り用仕掛けです。

ハリスがフックビーズによって連結されているため、ハリスの着脱を簡単に行うことができます。

針は使っている内に針先が鈍くなってしまい、アタリがあっても針がかかりにくくなってしまうのですが、「快適カワハギ仕掛け ワンディパックSS」ならストレスなく交換することが可能です。

  • 針:7号
  • ハリスの号数:2号
  • ハリス長:7cm
  • 値段:870円

シマノ「カワハギ仕掛け 楽々フルセット 吸わせ力」


ダイワと並び、釣り具メーカーとしてお馴染みのシマノが販売しているカワハギ用仕掛けです。

最大の特徴は、吸い込みやすい大きさはそのままに強度を増した「吸わせ力」という針になります。

強度が高いことにより針先が鈍りにくいため、ハリス交換の頻度を少なくでき、効率良く釣りを行うことが可能です。

いざハリスを交換する際にも、ハリス止めが従来品より針にかかりやすい独自品になっており、スピーディに交換できます。

  • 針:7~8号
  • ハリスの号数:2~2.5号
  • ハリス長:6cm
  • 値段:1,050円

集魚板や反射板など、仕掛けは自分好みにカスタマイズできる


先述した通り、カワハギ釣りの仕掛けは集魚板や反射板を追加するなどのカスタマイズをすることが可能です。

集魚板や反射板は腐食しづらい金属でできた板で、ホログラム加工をされているものもあります。

基本的に、集魚板や反射板は警戒心の高い魚には有用ではありません。

カワハギは警戒心の低い魚なので、集魚板や反射板に対して素直に興味を持ち、おびき寄せられてくれます。

集魚板や反射板を付ける場合、ラインと仕掛けの間に中オモリとして装着するのが基本です。

他にも夜光ビーズ等を針に装着するなど、カワハギ釣りの仕掛けは自分好みにカスタマイズできます。

カワハギ釣りの自作仕掛け


カワハギ釣りの仕掛けは自作することが可能です。

市販のカワハギ釣りの仕掛けでは45cm~1mのものまで様々ですが、自作する場合は全長70cm程度で作成すると、堤防、船の両方で使いやすく便利です。

まずは、仕掛け作りに必要な道具から見ていきましょう。

コスパ良すぎ!自作仕掛けに必要なもの


仕掛け作りに必要な素材は以下の通りです。

  • フロロカーボンライン
  • スナップ/サルカン
  • 自動ハリス止め

続いて、以下の工具を用意する必要があります。

  • 千枚通し
  • ハサミ
  • メジャー

上記を見ても分かるように、素材には高価なものがありません。

事実、カワハギ釣り用の仕掛けは自作することで、市販品の1/4程度の金額に押さえることが可能です。

カワハギ釣りを頻繁に行う人ほど、仕掛けの自作方法は知っていて損はないでしょう。

それぞれの素材について見ていきましょう。

フロロカーボンライン


幹糸とハリスとして使用します。

太さは2~4号程度で選択の余地がありますが、基本的には市販品でも主流な3号が使いやすいです。

高級なラインを使った方が感度が良くなると思われがちですが、メインのラインとの間にサルカンを挟むせいか、そこまで違いは感じられません。

原価を考えてもリーズナブルなもので充分でしょう。

スナップ/サルカン


メインラインやオモリとの接続部に使用します。

スナップは2号のものがちょうどよい大きさです。

サルカンはスナップのサイズに合ったものを選びましょう。

意識したいのがスナップの強度です。

堤防釣りならともかく、海釣りでは重めのオモリを使用するため、ある程度強度が必要になります。

しかし、強度が強すぎると根がかりしたときにラインごと切れてしまう可能性もあるのです。

仕掛けの製作前にスナップにオモリを付けてみて、スナップが開かない程度のものを選ぶと良いでしょう。

自動ハリス止め


ハリスは幹糸に直接縛り付けても良いのですが、自動ハリス止めを使った方が着脱が簡単なため、おすすめです。

ラインの太さに合わせたものを使わないと装着ができないので、間違ったサイズを選ばないように注意しましょう。

3号のラインならMサイズのものが適正です。

ビーズが集魚ビーズになっているものなども販売されているため、カスタマイズ性に優れている素材になっています。

素材がそろったら、いよいよ製作開始です。

仕掛けの作り方


仕掛けの製作は大きく分けて以下の4つのフローに分かれています。

  • ラインカット
  • オモリ用サルカンの装着
  • 自動ハリス止めの装着
  • ライン側サルカンの装着

それぞれ見ていきましょう。

ラインカット


まずは幹糸をカットします。

幹糸の全長70cmに加え、縛りしろとして10㎝程度余裕を持たせ、80㎝程度でカットします。

長さの計測にはメジャーが便利ですが、普通の定規などでも問題ありません。

オモリ用サルカンの装着


幹糸がカットできたら、オモリ用のサルカンを装着します。

サルカンは幹糸の両端に付けることになりますが、必ずオモリ用から付けるようにしましょう。

何故なら、カワハギ釣り用仕掛けでは、オモリと各ハリスの間隔が重要になるためです。

オモリ用のサルカンから装着し、自動ハリス止めを装着、最後にメインのライン側のサルカンを付けるという手順を踏むことで、最後に全長の調整が可能になります。

サルカンは『ユニノット』か『クリンチノット』という結び方で装着しますが、『ユニノット』の方が安定感がありおすすめです。

『ユニノット』の結び方は以下のようになります。

  • 1.サルカンにラインの先端を通して、10~15cmほどで折り返す
  • 2.ラインの先端を再び折り返し、サルカンの近くで2本のラインを束ねる
  • 3.2本のラインを束ねながら、ラインの先端をループに4~5回くぐらせる
  • 4.引き締めて結び目を作れば完成

サルカンを結んだら余ったラインをカットするのですが、結び目ギリギリでカットしてしまうとほどけやすくなってしまうので、5㎜程度の余裕を持たせましょう。

自動ハリス止めの装着


自動ハリス止めは、オモリから6㎝地点、16㎝地点、31㎝地点に装着します。

オモリ用サルカンに近い方から付けていきましょう。

自動ハリス止めの付け方は以下の通りです。

  • 1.幹糸の装着するポイントに八の字結びでコブを作る
  • 2.自動ハリス止めを幹糸に通す
  • 3.最初に作ったコブと反対側にも八の字結びでコブを作って完成

自動ハリス止めを通した後に作るコブは、千枚通しをループに挟んでコントロールしてやすことで、自動ハリス止めに接するように作ることができます。

ライン側サルカンの装着


最後にライン側のサルカンを装着します。

装着前に一度仕掛けの全長を測り、好みの長さに調整しましょう。

以上でカワハギ釣り用仕掛けの完成です。

腹パンの肝の入ったカワハギをゲットしよう


カワハギ釣りの仕掛けについて、堤防釣りと船釣りの違いやカワハギの生態も加味して解説してきました。

カワハギはアタリの分かりにくさから、ルアーフィッシングなどでは体験できないゲーム性を楽しむことができます。

慣れてきたら仕掛けを自作することで、安価で釣りができるのも魅力的です。

何よりカワハギは身も肝も大変美味なので、釣り上げた時に多幸感を感じることができます。

是非自作の仕掛けを手に、肝パンのカワハギを狙ってみましょう。


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