鮎の友釣りを徹底攻略!鮎釣りに必要な道具から釣り方まで完全網羅
投稿者:ANGLERりゅーちょい
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「鮎釣りって初心者でもできるの?他の釣りと違う部分が多いみたいで難しそう…」
「鮎釣りの道具は専用のものが必要なのかな?だとしたらいくらくらいで揃えられるんだろう?」
夏の渓流の風物詩として、原風景としても愛されている鮎釣りに、興味を持っている人も多いでしょう。
あなたも当記事にたどり着いているということは、多かれ少なかれ興味を持つ1人なはずです。
しかし、鮎釣りでは他の釣りでは使わないような特殊な道具で行うことから、敷居が高いイメージがあります。
事実、鮎釣りは餌釣りやルアーフィッシングとは全く違う手法で行うため、他の釣りの経験者でも初心に帰って釣り方を覚えなければいけません。
「それじゃ初心者にはなおさら難しいんじゃ…」
安心してください。
当記事では鮎の友釣りに必要な道具の種類や予算感から実際の釣り方まで、網羅的に解説しています。
鮎釣り初心者でも、当記事を最後まで読めば、道具を揃えるところから仕掛けの準備、釣り上げまでの動きまで、しっかりと把握することが可能です。
「はじめての鮎釣りで周りの人に迷惑を掛けたくない」という人のために、友釣り時のマナーについても紹介しています。
ぜひ参考にして、鮎釣りの独特なゲーム感を楽しみましょう。
鮎釣りのシーズン
鮎釣りのシーズンは6月〜10月です。
鮎は貴重な水産資源とみなされており、各都道府県の漁業調整規則によって禁漁時期が定められています。
多くの都道府県では1月1日〜5月31日までを禁漁期間としていることが多いです。
加えて、千葉県や神奈川県などでは10月1日〜11月30日までを禁漁時期にしています。
他にも都道府県ごとにそれぞれの禁漁時期が定められているので、鮎釣りに行く前に禁漁時期をチェックしておきましょう。
また、都道府県によっては11月〜12月が禁漁時期から外れているので、釣り自体は可能です。
しかし多くの場合、鮎は産卵後に一生を終えてしまうので、産卵期である10月上旬〜11月下旬を過ぎると、鮎自体が川にいなくなってしまいます。
結果的に、禁漁時期を守りつつ、6月〜10月中に釣りに望むのが良いでしょう。
鮎釣りに必要なタックルと予算
鮎は”友釣り”という独自の手法で釣ることになります。
タックルについても一線を画するものになっており、他の釣り用のタックルを流用することが出来ません。
鮎釣りは、まずは一通りタックルを揃えるところから始まるのです。
詳しく見ていきましょう。
鮎釣りのタックルの揃えるために必要な予算は3万円
鮎釣り用のタックルを揃えるためには、どの程度のお金がかかるのでしょうか。
まずは予算感が知りたいところですよね。
結論から言うと、鮎釣りのタックルをすべて揃えるには最低でも3万円弱はかかります。
他の釣りの入門用タックルと比べると、そこまで金額差はありません。
後述する金額の内訳を見てみると、鮎釣りは竿が高価で曳き舟が必要ですが、リールやルアーの準備が必要ないため、金額差が出ていないことがわかります。
鮎釣りで最低限揃えなければならないものは、以下の通りです。
- 鮎釣り竿
- 曳き舟
- 仕掛け
- 掛け針
金額の内訳や、各タックルの特徴ついて見ていきましょう。
鮎釣り竿(ロッド)
まずは、釣りには不可欠な竿についてです。
友釣りという他に例を見ない独特な釣り方をする鮎釣りでは、他の専用竿では代用できない特徴を持っています。
最大の特徴は圧倒的な長さでしょう。
他の釣りに使う釣り竿は2m前後のものが多い中、鮎釣り竿の全長は7〜11メートル程度と、4倍から5倍に及ぶ長さになっています。
なぜそこまでの長さが必要なのかを説明するには、友釣りという釣り方の特徴を把握して置かなければなりません。
友釣りは餌を使わず、代わりに”オトリ”という、仕掛けに繋いだ鮎を使用する釣り方です。
鮎は縄張り意識が高いため、自身の縄張り内に別の鮎が侵入してくると、体当りして追い出そうとします。
上記の性質を利用し、”オトリ”の先に取り付けた仕掛け針で、体あたりしてくる鮎を”引っ掛けるように釣る”手法なのです。
”オトリ”をスムーズに泳がせるためには、極細の糸を使用する必要があります。
しかし、一般的な長さの竿で喧嘩する2匹の鮎を釣り上げようとすると、極細の糸では簡単に切れてしまうのです。
竿を長くすればクッション性が増し、糸への負担が軽減されるので、鮎釣り竿はどんどん長くなっていき、現在の形になりました。
つまり極細の糸で2匹の鮎を釣り上げるために仕方なく長くなったわけです。
友釣りに特化した結果、竿全体がよくしなることも大きな特徴となっています。
鮎釣り竿(ロッド)の選び方
鮎釣り竿は最低で2万円程度のものから、高級品だと40万円を超えるものまで販売されています。
初心者が鮎釣り竿を選ぶ際には、手頃の値段のものを選んだほうが得策でしょう。
一般的な思考では高級なものほどよく釣れると考えてしまいがちです。
実際、鮎釣り竿は高級なものほど軽量で操作性の良いものになる傾向があります。
しかし、その分繊細な操作性が要求され、かつ素材の厚みを極限まで削っていることから、うまく扱わないとすぐに折れてしまいます。
初心者はどうしても無理な操作で竿に負担を掛けてしまうことになるため、せっかく高価な竿を買っても、すぐにポッキリいってしまう可能性があるのです。
以上のことから、最初は折れてもダメージが小さく、ある程度頑丈な安い竿を使ったほうが良いでしょう。
仕掛け
次に仕掛けについて見ていきましょう。
友釣りの仕掛けは、竿の長さに比例して長く、4つのセクションが組み合わさって作成されています。
鮎釣りの仕掛けの内訳は以下の通りです。
- 第1セクション:仕掛けと竿を繋ぐ”天井糸”
- 第2セクション:オトリの位置確認のために目印をつける”水中糸”
- 第3セクション:オトリをつける”鼻かん周り”
- 第4セクション:掛け針
もちろん自分で作ることもできるのですが、仕掛けの規模が大きく複雑なため、時間対コストを考えるとあまり合理的とはいえません。
ストレスなく鮎釣りを行うのであれば、市販の完全仕掛けを使うのが良いでしょう。
完全仕掛けは、第3セクションの”鼻かん周り”までが揃っているもので、現在では様々なメーカーから販売されています。
市販品だからと侮るなかれ、現在販売されているものは出来もよく、下手な手作りよりも断然釣果を期待することが可能です。
仕掛けに使用する糸は、ナイロンラインからPEライン、金属製のメタルラインまで幅広くなっています。
初心者はクセのないナイロンラインが扱いやすいので、ナイロンラインの完全仕掛けを選ぶようにすると良いでしょう。
掛け針
鮎釣りでは、3本または4本の針を1つにくくり、錨(イカリ)のようにして使います。
仕掛けと同じく、掛け針も単体の針と糸から作成できるのですが、完成品が市販で販売されているので、そちらを利用しても良いでしょう。
掛け針には、基本形の”キツネ”、角ばっている形状の”矢島”、両者の中間となる”長良”があります。
”キツネ”と”長良”を比較すると、”キツネ”のほうが針がかかりやすくなっている分、身切れ(身が切れて針が抜けること)が多いです。
”長良”は”キツネ”より針が内側を向いていることもあり、一度かかればしっかりと鮎を保持してくれます。
更に針先も、真っ直ぐな”ストレートタイプ”と、僅かに針が内側に向けてカーブしている”シワリタイプ”に分類されています。
”ストレートタイプ”と”シワリタイプ”の違いは”キツネ”と”長良の違いに似ており、”シワリタイプ”は掛かりにくい分、保持力が高いのが特徴です。
最初は中間である”長良”の”ストレートタイプ”で様子を見ましょう。
様子を見た結果、鮎の活性が高いなら”シワリ”の”長良”、活性が低いなら”ストレート”の”キツネ”を使うと合理的です。
タモ
一般的には釣った魚をすくう目的で使われるタモですが、鮎釣りでは他の用途でも使われます。
鮎の友釣りでは”オトリ”を仕掛けに装着する作業があります。
仕掛けに”オトリ”を仕掛ける際、弱ってしまわないように水中で作業することになるのですが、気を抜くと”オトリ”はすぐに逃げてしまうのです。
上記のようなことがあってもカバーできるように基本的に”オトリ”の装着は水につけたタモの中で行います。
”オトリ”の装着が不自由なく行えるよう、鮎釣りで使うタモは36〜39cm程度のものが使用させることが多いです。
加えて、鮎釣りは川の中に入って行うことから、柄が長い必要がありません。
操作性も考慮して、柄は短いものを選びましょう。
曳き舟
曳き舟とは、いわば船の形をした檻のようなもので、”オトリ”として使う養殖の鮎を入れておくためのものです。
舟にはいくつも細かい穴が開いており、川の水が流れのままに通過するようになっています。
鮎釣りでは”オトリ”の活きの良さが重要です。
しかし、”オトリ”は釣りに使っていると、20分もしないうちに体力がなくなってしまいます。
継続的に元気な”オトリ”で釣りを行うためにも、曳き舟に入れた”オトリ”をローテーションして使用するのです。
最初は6〜7L程度のものを買えば、20匹程度の鮎が入るので充分といえるでしょう。
曳き舟に鮎を入れすぎると、舟の中の水の循環が上手く行かない上、鮎自体にストレスが溜まってしまうため、全体的に弱ってしまいます。
くれぐれも曳き舟の容量を超えないよう注意しましょう。
あると便利なアイテム
鮎釣りは最低限上述した道具があれば行うことができますが、快適に釣りを楽しみたいとなれば話は別です。
鮎釣りの際には、以下のようなアイテムがあると、ストレスを感じることなく釣りを行うことができます。
- 偏光グラス
- ベスト
- ウェーダー
- 帽子
- 滑りにくい靴
それぞれ見ていきましょう。
偏光グラス
鮎釣りのシーズンは6月〜10月、つまり日差しの強い夏に行うことになります。
川に入って行う鮎釣りでは日陰の恩恵を受けることができないため、日差しへの対策が重要になってきます。
特に、水面の反射によって仕掛けの目印が見えないと、どこに”オトリ”がいるのか分からなくなってしまい問題です。
よって、鮎釣りに赴く際には偏光グラスを持っていったほうが無難といえます。
ベスト
一般的には万が一海や川に落下してしまった場合の救命道具として使用されているベストですが、鮎釣りでは用途が違ってきます。
鮎釣りにおけるベストの用途は、携帯性の拡張です。
鮎釣りは川に入って行う釣りであるため、足元に道具を置いておくことができません。
その上、友釣りの性質上、鮎の引き回しや岩への衝突などで仕掛けが消耗しやすく、こまめな交換が必要になってきます。
よって、鮎釣りではポケットが多く、道具をたくさん携帯できるベストが必要になってくるのです。
必ず必要というわけではありませんが、あるのとないのでは快適性に大きな違いがあります。
鮎釣り専用のベストも販売されているので、金銭的な余裕があればぜひ揃えておきましょう。
ウェーダー
川の中での釣りは、ウェーダーがあると比較的ストレスがかかりません。
ウェーダーとは同長靴のことで、以下のような種類があります。
- 膝上まで覆うヒップハイウェーダー
- ズボン上で腰まで覆うウエストハイウェーダー
- オーバーオールのチェストハイウェーダー
基本的には入水する水深によって、どれを使うのかを決めるのですが、チェストハイウェーダーを買っておけば対応できずに困ることはありません。
生地にも様々なバリエーションがあり、安価な分透湿性に欠けるナイロン素材から、登山着にも使われるゴアテックス製の物まであります。
基本的には高価なものほど透湿性が高く快適なので、ウェーダーを購入する際にはある程度のランクのものを選ぶことをおすすめします。
帽子
偏光グラスと同じく、帽子も日差し対策には有効です。
スポーティなキャップも良し、麦わら帽で原風景の一部になるも良し、好みで選ぶと良いでしょう。
滑りにくい靴
川に入って行う鮎釣りでは、岩の表面の苔などに足を取られることが多いです。
ケガの可能性もありますし、滑った拍子に竿を手放してしまうと、流木と共に流されてしまいます。
事故は未然に防げるなら防ぐべきということで、滑りにくい靴は想像以上に重要です。
滑りにくく、かつ防水性に優れていれば何でも良いのですが、巷では”鮎タビ”と呼ばれるものも販売されています。
必須ではないですが、金銭的に余裕があれば、優先的に揃えたい道具です。
川に入る前に必ず入川券を買おう
川に入って鮎を釣るには、入川券を購入する必要があります。
これは、基本的に鮎釣りが行われる場所で販売されているものです。
「何でわざわざお金を払う必要があるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。
入川券が必要な理由には、先述した漁業調整規則が関わってきます。
要は、単純に都道府県で管理されている魚種であることが理由になっているのです。
入川券の費用は、不当な乱獲を防ぐための管理費として徴収されているので、間違っても払わずに鮎釣りを行わないようにしましょう。
釣りを楽しむ者として、最低限のマナーなので、しっかり支払うようにしましょう。
鮎釣りのポイントの選び方
鮎釣りで重要なのはポイント選びです。
鮎が密集しているポイントにはいくつかの法則性があり、法則性に準じたポイントを狙っていくことが重要になります。
詳しく見ていきましょう。
綺麗な苔がついている岩の近くを攻める
川に遡上してきた鮎は、岩についている苔を主力としています。
よって、綺麗な苔がついている岩の近くには、鮎がいる可能性が高いです。
しかし、いくら苔のついた岩があるといっても、釣り場に鮎がいないのであれば当然釣れません。
鮎釣りのポイントを探す際には、まず鮎の食み跡を探す必要があります。
鮎が苔を食べつくした岩は、櫛で引っ掻いたような跡のついているものの、全体的に綺麗です。
苔のない岩があるという前提の上で、苔のある岩を探すのが、ポイント探しのコツになります。
瀬肩と瀬落ちを狙う
川の中で急激に幅が狭くなる部分では、流れの速さに大きな変化があります。
上記のような場所では、瀬肩と瀬落ち(幅が変化する境界)に近い部分に鮎が集まっている傾向があるのです。
瀬肩には上流からの流れに負けた鮎が溜まっており、瀬落ちでは幅が狭くなることにより、鮎が渋滞を起こしています。
瀬肩や瀬落ちで食み跡のある岩を発見できれば、大きな釣果が期待できるチャンスです。
段々瀬を狙う
川がきつめの坂になっているような段々瀬でも、大きな流れの変化が見られます。
段々瀬では流れの速さによって白い泡を含んだ波が立っているため、判断しやすいでしょう。
段々瀬でも、始点と終点付近に鮎が集まる傾向があります。
始点では鮎が速い流れに巻き込まれないように溜まっており、終点には流れの速さに苦戦している鮎が渋滞しています。
瀬肩や瀬落ちのように、食み跡が見つかれば積極的に狙っていきたいポイントです。
鮎を釣る前に準備すること
いざ友釣りを仕様と思っても、オトリの鮎がいなければ元も子もありません。
釣り場に行く前に、オトリ屋で”オトリ”を購入する必要があります。
また、鮎釣りは川に入って行うため、諸々の作業に地面を使うことができないため、細かい準備には不自由です。
よって、釣りをする上で必要な準備は、川に入る前に行う必要があります。
詳しく見ていきましょう。
オトリの鮎を仕入れる
“オトリ”がいないと友釣りは始まりません。
まずは、釣り場近くのオトリ屋で、”オトリ”を購入しましょう。
鮎を放流している川であれば、ほぼ確実に釣り場付近にオトリ屋があります。
鮎釣りは”オトリ”選びから始まっており、活きの良いオトリを選ぶことは、釣果を上げるには重要です。
実際に”オトリ”を選ぶ際にも、触る時には事前に手を冷やすなど、細心の注意を払いましょう。
仕掛けをセットする
実際に釣りをする前に、仕掛けのセットを済ませておきましょう。
完全仕掛けを使っていても、竿につけるのは手作業です。
基本的には先端の輪になっている部分を竿のリングに通し、次に先端の輪を仕掛けに通すことでセットが完了します。
携帯電話などにストラップを付けるのと同じ要領ですね。
竿に仕掛けを付けたら、仕掛けの長さを調節します。
天井糸に仕掛け全体の長さ調節ができる編み込み部分があり、編み込み部分を調節することで長さ調整が可能です。
市販の完全仕掛けでは、編み込み部分が二重になっていることが多く、調節した量の半分ほど、仕掛け全体の長さが変化します。
最初の内は”オトリ”を付ける鼻かんが、竿尻にくる程度の長さに調節し、好みに応じて調節していくと良いでしょう。
また、市販の完全仕掛けは多くの場合、水中糸に付いている目印が長すぎることが多いです。
目印はハサミで簡単に切れるので、自身の視力で合った長さ(遠目で見える長さ)にカットしましょう。
最後に掛け針付きハリスを仕掛けにセットして、準備完了です。
鮎の友釣りの方法とコツ
準備が完了したら、いよいよ友釣り開始です。
当記事ではステップごとに友釣りの方法を解説しつつ、場面ごとのコツも紹介していきます。
STEP1.オトリを取り付ける
まずは仕掛けに”オトリ”を取り付けましょう。
タモを水中に付け、曳き舟から”オトリ”を移します。
次に鼻かんを指でつまみ、反対の手で”オトリ”の頭を包み込むように持ち、鼻かんを鼻に通します。
”オトリ”の目を隠し、胸ビレ付近を持つと指でホールドすると比較的簡単です。
タモがあるおかげで”オトリ”に逃げられる心配はほぼ無いので、気楽に行うのがコツといえます。
鼻かんはしっかりつまんで、鼻に真っ直ぐ通すことを意識しましょう。
STEP2.掛け針をセットする
次に、”オトリ”に掛け針をセットします。
掛け針の反対側についている逆針を、”オトリ”の尾びれの付け根付近に取り付けます。
逆針は、獲物がヒットしたら”オトリ”から外れてくれた方がありがたいので、皮一枚程度で貫通させ、見切れを良くするのがコツです。
逆針をセットしたら、鼻かんと逆針の間に多少ゆとりができるように、鼻かんを動かして調整します。
もし鼻かんと逆針の間にゆとりがないと、”オトリ”が上手く泳げなくなってしまうので注意しましょう。
”オトリ”のセットが完了したら、ポイントに向かいます。
移動時は竿を肩に担ぎ、竿尻を腕の下に通すようにすると、両手が使えて便利です。
STEP3.釣る
ポイントも目星が付いたら釣りの開始です。
友釣りには、”引き釣り”と”泳がせ釣り”という2つの方法があります。
それぞれ見ていきましょう。
引き釣り
引き釣りでは、常に糸を張り、”オトリ”を操縦するようにして釣る手法です。
”オトリ”を足元の水中に放したら、下流方向に誘導しつつ、沖へ送り出します。
この時、竿を立てつつ沖に出ていく”オトリ”に合わせて腕を大きく伸ばし、常に糸の張りを保つようにするのが重要です。
竿先付近まで”オトリ”を送り出せたら、竿を30度程度で構え、ピンポイントで”オトリ”を泳がせます。
糸を張りすぎると”オトリ”が浮いてしまい、逆に張りがないと仕掛けが絡まりやすくなってしまいますので、注意しましょう。
適度な張りを保ちつつ、ピンポイントでのアタリを待ち、5分程度経過したらポイントを変えるという手順を繰り返します。
泳がせ釣り
泳がせ釣りは引き釣りとは反対の釣り方で、あえて糸をたるませることで、”オトリ”に泳がせてアタリを狙う手法です。
”オトリ”を足元で放したら、竿を立てつつ自由に泳ぐ”オトリ”をフォローするように動かします。
泳がせ釣りでは、糸のたるみ具合が重要な要素です。
糸のたるみ具合を”オバセ”というのですが、”オバセ”が多いと”オトリ”が川の流れをダイレクトに受けるため、泳ぎが速くなります。
対して”オバセ”を少なくすると、糸の張りによってサポートされる分、速く泳ぐ必要が無くなるので、動きが遅くなるのです。
泳がせ釣りは、”オバセ”の増減によって”オトリ”をコントロールしながら、広範囲を探る釣り方になっています。
STEP4.ヒット~取り込み
鮎がヒットしたら竿に強い衝撃が伝わります。
アワセ(食いついた魚に針を指す動作)などは必要ないのですが、思わず竿を立てないように注意しましょう。
友釣りの竿は長いため、従来の釣りのように一気に釣り上げるのは困難です。
ヒットした後は竿を角度をそのままにして待っていれば、段々とこちら側に寄ってきてくれます。
ある程度獲物が寄ってきたところで、”オトリ”共々タモに取り込むのですが、取り込み方には2種類の方法があります。
それぞれ見ていきましょう。
引き寄せ取り込み
段々と寄ってきた獲物とをさらに引き寄せて取り込む方法です。
獲物がある程度寄ってきたら、竿の角度を変えずに上流に向けると、さらに獲物を近づけることができます。
足元付近まで近づいてきたところで、タモに取り込みましょう。
引き抜き取り込み
ある程度近づけた獲物を水中から引き抜き、タモでキャッチする取り込み方です。
空中で獲物をタモに取り込む姿がカッコ良く、友釣りの代名詞的な取り込み方法となっていますが、難易度は高く、失敗の危険性もあります。
引き抜き取り込みを習得したい場合は、ロスト覚悟で何度か挑戦し、感覚を掴みましょう。
釣り上げた鮎はそのまま”オトリ”として使うことが可能です。
野生の鮎はオトリ屋で購入したものより元気が良く、より獲物の縄張り意識を刺激してくれます。
結果的に野生の鮎を”オトリ”にした方が釣果を期待できるので、まずは早めに一匹釣り上げることを考えましょう。
鮎の友釣りのマナー
最後に、鮎の友釣りをする上で守りたいマナーについて紹介していきます。
多くの釣り人がいる釣り場では、小回りの利かない友釣りは難しくなりがちです。
マナーを守りつつ、譲り合いの精神で紳士的に釣りを行うことで、皆が心地よく釣りを楽しめるように努力しましょう。
ゴミを捨てない
釣りに限らず、アウトドア全般を行う上で当然のマナーです。
食品の容器やタバコの吸い殻はもちろん、根がかり(底のい泡などに引っかかり仕掛けが切れること)した仕掛けや針も可能な限り回収しましょう。
竿先に気を遣う
友釣りの竿先は視線から外れやすく、また大きく振ると人に当たる可能性があり危険です。
他人の目に当たったりしたら一大事ですし、ぶつけ所によっては竿が破損する可能性もあります。
釣りに熱中していても、竿先は常に意識しておくよう心掛けましょう。
取り込み中の人の邪魔をしない
獲物をタモに取り込む際、大物相手だとある程度下流側に下がる必要が出てきます。
取り込み時に他の人がどいてくれないと、立ち往生している間に鮎が逃げてしまう可能性が高いです。
もし取り込みで上流側の人が下ってきた場合は、応援しつつ動線を譲りましょう。
譲ればコミュニケーションのきっかけになりますし、譲らないとトラブルのきっかけになります。
どちらが健全かは自明でしょう。
隣の人との距離を空ける
隣の釣り人とは最低でも竿1本分、つまり7~11m程度空けるようにしましょう。
釣り人同士が近すぎると、お互い竿を動かせる範囲が減ってしまいます。
広い場合はなおさらで、できるだけ他の人と距離を空けることが快適な釣りには重要です。
釣り人のそばを歩く場合は一声掛ける
当然ですが、人が歩けば水中の鮎は逃げてしまいます。
釣り人の近くを歩くということは、せっかくのポイントを荒らすということです。
近くを通る際には上記の事を考慮して、一言謝ってから通るようにしましょう。
釣って美味しい丸々太った鮎を釣ろう!
鮎の友釣りについて、タックルの予算感から具体的な釣り方まで紹介してきました。
友釣りは夏の風物詩として、釣り人の中でもファンが多い釣り方です。
他の釣りと毛色が違うので、気を付けなければいけない部分も多いですが、いつもと違う釣りを楽しむことができます。
タックルの予算も他の釣りとそこまで変わらないので、新たな刺激として挑戦してみるのも良いでしょう。
是非当記事を参考に、鮎釣りにトライしてみてください。
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