イサキ釣り徹底解剖!| 船や堤防から狙うためのタックルや釣り方のコツを解説

投稿者:ANGLERりゅーちょい

梅雨から夏にかけてハイシーズンとなるイサキ釣りに必要なタックルと仕掛けを紹介します。船釣りはもちろん堤防や磯場から釣る方法も解説するので、船釣り初心者の方や、陸からイサキを狙いたい人も、ぜひ参考にしてください。

この記事をシェアする

「イサキ釣りに興味があるけど、やったことがないから釣れる場所や必要なタックルがわからない。初心者でも大丈夫かな?」

「イサキって船から釣るイメージがあるけど、正直、船には乗りたくないなあ。お金が掛かるし。陸からもっと手軽に釣れないかな?」

「仕掛けはどの場所でも同じでいいのかな?季節や状況で使い分けないといけない?何を基準に判断すればいいのかわからない・・・」

イサキはお刺身や煮付け、塩焼きなど様々な方法で美味しく食べられる魚で、数釣りもできることで知られています。

しかし、釣れる場所や季節が限られているため、人によってはアジや鯖、鰯などのように日本全国で手軽に数釣りできる魚に比べて馴染みがないケースもあります。

様々な釣りをやってきたけれど「イサキだけは釣ったことがない」という人も珍しくありません。

あなたもイサキ釣りには興味があるものの、実際に釣ったことがないから、具体的な釣り方や仕掛けについて調べているのではないでしょうか?

本記事では、イサキ釣りに関する基本的な知識から必要なタックル、そして実際の釣り方について解説します。

船釣りの方法はもちろん、磯や堤防から狙う方法も説明するので、時間や予算的な理由から「船釣りは難しい」と感じている人も、気軽に陸からイサキ釣りを楽しむことができます。

特に初心者の場合、周りから「あの人は素人だな」と思われたくないなど、何かと不安なこともあるでしょう。

本記事を最後まで読んでいただければ、初心者にありがちな不安な点を解消するとともに、なかなか気づきづらい注意点まで解決でき、安心して釣り場に行けるようになります。ぜひ、参考にしてください。

イサキを釣るために知っておきたいこと

まず、イサキ釣りをするために知っておくべき基本的な知識を頭に入れておきましょう。どんなターゲットでも言えることですが、狙える場所と時期、時間帯は知っておく必要があります。

イサキは船釣り、堤防釣りどちらでも狙える魚

「イサキを釣りたいけど、船と堤防どちらから釣れるんだろう」と思っている人も多いですが、基本的にはどちらでも釣ることができる魚です。

船釣りの方が釣れる状況が多く、数も釣りやすいのでオフショア(沖合い)のイメージが強いですが、場所によっては堤防や磯などからも十分狙えます。

特に船で沖合いから狙う場合、乗る船にもよりますが、乗船価格が10,000~15,000円程度かかってしまうので、予算と相談しながら釣る場所を決めるようにしましょう。

できるだけお金をかけずに釣りたい場合は、陸から手軽に狙う方法もあります。

ただし、イサキは房総半島を中心に関東以南がメイン漁場となります。北海道や東北ではまず釣ることができないので注意してください。

関西方面では和歌山県の「すさみ町見老津」などを中心に、有名な釣り場がいくつかあります。

詳しくは最寄りの釣具屋などで聞いてみるとよいでしょう。

釣れる時期は3〜12月と長く、最盛期は5〜7月

イサキが釣れる時期は3~12月と、他の魚に比べてかなり長く釣ることができますが、最盛期は初夏から夏にかけて(大体5月後半~7月ぐらい)です。

地域によっては10月ぐらいまで数釣りが楽しめることもあります。

イサキは乗っ込み時期(産卵期)が梅雨から初夏といわれており、産卵のために深場から浅い場所に移動して来るので、型の大きいものが期待できるシーズンです。

特に美味しいイサキを食べたいのであれば、6月ぐらいの梅雨の時期を狙いましょう。良型が多く、お刺身で食べるととても美味しいです。

昼は海底付近、夜は海面付近で釣れる

イサキは釣る時間帯によって、狙うべきタナ(水深)が変わってきます。

昼間は海底付近にいることが多いため、仕掛けを落とすタナをかなり深くする必要がありますが、夜になると中層~表層付近に浮いてくるといわれており、夜釣りでは海面付近で数釣りが狙えるようになります。

特に船釣りをする場合は、船長が指示してくれるタナをしっかりと守ることが重要です。

たとえベストシーズンであっても、タナが違っていればほとんど釣れないことが多いですから、釣れるタナをしっかり把握するようにしましょう。

船釣りのタックルと仕掛け

では、イサキ釣りのタックルについて解説していきます。まずは船釣りのタックルと仕掛けからです。

イサキ釣りの餌はオキアミがメイン

イサキ釣りの餌ですが、コマセ釣りの場合はアジや鯖、鰯などと同様にオキアミがメインになりますが、アミエビを使用するところもあるようです。

オキアミ

オキアミ目の甲殻類の総称で、釣りのサシエサ(直接針に付けて魚に食わせる餌)に使われることが多い。海老に形が似ているが、プランクトンに分類される。体長は2~4cm程度で、アミエビよりも大きいのが特徴。

アミエビ

実名はアキアミ。海老の一種で、日本から東南アジアの広い地域に生息しており、体長は10~30mmほど。釣りの撒き餌(コマセ)として使われる。

針に餌や疑似餌をつける場合は、バイオワームやイカ短(イカたん)、オキアミがメインになります。船や地域によっても変わってきますが、船釣りの場合はイカ短を使うケースが多いようです。

イカ短

イカの切り身。主にイカの頭部を短冊切りにしたもので、魚よりも餌持ちがよいのが特徴。船釣りでイサキを狙う場合に使われることが多い。

バイオワーム

虫餌に似せた人工餌。イソメや蟹などの種類がある。

特にイサキ釣りのメイン漁場と言われている南房総では、オキアミをコマセに使い、針にはイカ短を使用するのが一般的になっています。それぞれの船で秘伝のタレに漬け込んだイカ短が配られることもあります。

船釣りのタックル

船釣りのタックルについてですが、まずロッド(釣竿)はコマセを撒いたり、しゃくって誘ったりする必要があるため、次のような2メートルぐらいのものを選びましょう。

シマノ:ライトゲームBB 船 S190 1.9m

ただし、船釣りの場合、リールはベイトリールを使用するのが一般的なので、ベイト仕様のロッドにしてください。

また、リールはPEラインの3~5号が100mぐらい巻けるもので、次のようなタナの精密な調整ができる両軸の電動リールが理想です。

シマノ:電動リール プレイズ400

ただ、南房総など狙うタナが浅い海域では、船釣りでも手巻きのリールで問題ありません。電動リールを使う場合は、事前にバッテリーの残量を確認しておきましょう。

ラインはPEラインの2~3号程度で、スナップ付きのサルカンに結びつけ、さらに仕掛けに接続します。

タックルに関しては、わざわざ買って揃えなくても船でレンタルしていることも多いですから、船を予約する前にチェックすることをおすすめします。

片天秤+コマセビシ仕掛け

イサキ釣りでは、錘とコマセカゴが一体になった仕掛け(コマセビシ)が使われることが多いです。

コマセビシ

コマセカゴに錘をつけたものを「ビシカゴ」といい、船からのコマセ釣りでは一般的仕掛けとなっている。ビシカゴを使うため「ビシ釣り」と呼ばれることもある。

片天秤にコマセビシをセットした基本的な仕掛けですが、船や地域によって基準が変わるので、事前に船長に確認して従った方がいいです。

フラッシュジギング

イサキ釣りはコマセ釣りが一般的ですが、最近では船からメタルジグで狙う「フラッシュジギング(イサキジギング)」も流行しています。

いわゆる「スーパーライトジギング(SLJ)」と呼ばれる分野で、沖合いから軽めのジグを使うことで、イサキを狙うことができるほか、他の小型の回遊魚も同時に狙えるので人気の出てきている分野です。

ただし、イサキは雑食魚ではありますが、ブリやシーバスのような積極的なフィッシュイーターではありません。

一般的なメタルジグではなく、専用のジグに平打ちされた専用フックを使います。ジグの不規則な動きで誘って、専用針で食わせる仕掛けです。

特に梅雨の時期をはじめ産卵期はイサキの食いがよくなるため、ルアーにも反応しやすくなるのでおすすめです。また、メバリングタックルにメバリング用のワームで釣ることもできます。

堤防釣りのタックルと仕掛け

一方、堤防や磯場などからイサキを狙う場合、フカセ釣りやカゴ釣りなどが一般的です。普段、アジやグレ、チヌ(クロダイ)釣りなどで使っている仕掛けを流用して釣ることができます。

堤防釣りのタックル

竿は3号~4号ぐらいの遠投用の磯竿で問題ありません。長さは5m程度あると投げやすいのでおすすめです。

リールは船釣りで使うような両軸リールでも構いませんが、4000番程度のスピニングリールでOKです。ラインはナイロンラインの場合は6号程度、PEラインの場合は2~2.5号くらいを選びましょう。

磯場の標準的なタックルなので、イサキ以外にも青物や場所によってはマダイなど様々な魚種を狙うことができます。

フカセ仕掛け

フカセ釣りは、本来、ウキを使わずに餌と針、ラインの重さのみで仕掛けを海中に漂わせてターゲットを誘う釣り方です。

ただ、イサキをフカセ釣りで狙う場合は、メジナなどを狙う場合とほとんど同じで、1号~2号程度の遠投用のウキ(円錐ウキ)を使用します。

やや水深を深めにとるのがコツで、コマセを撒いて海底付近に沈ませながら狙いましょう。仕掛けのみで釣れることもありますが、コマセを使うことで活性が低くても釣果につなげることができます。

カゴ釣り

堤防などからイサキを狙うのにもっとも標準的な仕掛けがカゴ釣り仕掛けです。6~8号くらいのカゴウキを使用し、ゴム管を通した先に6号程度の天秤カゴを取り付けます。

餌にはオキアミを使用し、カゴに入れるコマセはアミエビ(アミコマセ)を使いましょう。なお、市販の完成された仕掛けも多く発売されているので、初心者の場合は完成仕掛けを使うのがおすすめです。

イサキを堤防から釣る場合、上層に上がってくる夜釣りがおすすめですが、魚のいる場所が見極められれば、日中でも釣果を上げることができます。

ただし、場所によって回遊に差が出てくるので、ネットで調べたり釣具屋で聞いてみるなど、釣果情報は事前にしっかりとチェックしておきましょう。

【船釣り編】イサキの釣り方

では、イサキの釣り方を具体的に説明します。まずは船釣りの場合からです。

片天秤+コマセビシ仕掛けの釣り方

もっとも一般的な「片天秤+コマセビシ仕掛け」でのイサキ釣りの方法です。

STEP1.オキアミをカゴの8分目まで入れて、窓を調整する

コマセビシ仕掛けを使って釣る場合、まずオキアミをカゴ(ビシ)に8割くらい詰めて使います。

詰め込みすぎてしまうと、海中でコマセがうまく出てくれませんし、逆に少なすぎると一気に出てすぐに効果がなくなってしまうので、必ず8分目程度にしておきます。

カゴの窓の部分を調整し、竿でしゃくった時に、ほどよくコマセが出るようにするのがコツです。

STEP2.船長の指示したタナから5mほどプラビシを落とす

船釣りの場合、船長が適切なタナを指示してくれることが多いですから、素直に従いましょう。指示されたタナを基準にプラビシを落とします。

大体、ビシの位置が指示されたタナの5~6mぐらい下に来るように調整します。

STEP3.指示ダナに仕掛けを戻しながら、コマセを出す

ビシの位置を調整し、竿に錘の抵抗を感じたら、ビシの位置を指示されたタナまで戻します。

途中で何度から竿をしゃくってコマセを出してターゲットを誘いましょう。2、3mおきにしゃくるのがコツです。

STEP4.指示ダナでアタリを待ち、STEP2〜4を繰り返す

何度からしゃくった後に仕掛けが指示ダナで馴染んだら、しばらく竿を動かさずにアタリを待ちます。しばらく待ってアタリがなければSTEP2~4を何度か繰り返します。

STEP5.アタリがあったら追い食いを待つ

イサキはコツンとアタリがあってから、すぐギュンギュンと大きく竿先が引き込まれるのが特徴です。

群れで固まって移動し、さらに大きい個体ほど上部にいることが多いので、仕掛けをゆっくり巻き上げながら追い食いを待ちましょう。

活性が高いときには、すべての針にイサキが掛かることもあります。ハイシーズンは入れ食いになることも珍しくありません。

フラッシュジギングでのイサキの釣り方

次にフラッシュジギングでのイサキ釣りの方法です。

STEP1.ジグを底まで落とす

フラッシュジギングでは、クレイジーオーシャンというメーカーから発売されているメタルジグ『オーシャンフラッシュ』を使います。

特徴的なルアーですが、基本的な釣り方は一般的なジギングとほとんど変わりません。キャストしてジグを底まで落としてから、アクションを加えていきます。

スピニングタックルを使用する場合は、できるだけ広範囲を探るためにアンダーハンドでキャストして斜めに引いてくる感じにするとよいです。ベイトタックルの場合は、バーチカルジギングが基本です。

バーチカルジギング

船から垂直にジグを落として、ロッドをしゃくりながらリールを巻き上げる釣り方。

なお、特に潮が早かったり、水深が深い場合は重たいジグが必要となります。50g程度が基本ですが、状況によって使い分けるために、必要なウェイトをいくつか用意しておきましょう。

STEP2.リズムよくしゃくってフリーフォールで落とす

ジグを底まで沈めたら、リズムよくしゃくりながらラインを巻き取り、再びベールを開いてジグを落とし(フリーフォール)ます。

フリーフォール

ベールを開いてラインが出る状態でジグを底に落とすこと。逆にベールを開かずテンションの張った状態で落とすことを「テンションフォール」という。

フラッシュジギングでは激しいジャークをする必要はありません。ジグを漂わせるように軽くしゃくります。

イサキのバイトはフォール中に集中することが多いですから、しゃくったら必ずフォールさせましょう。大体、水深の半分くらいしゃくったら、フリーフォールで底まで落としてから、再びしゃくり始めます。

「ジグを底まで落とす→軽くしゃくりながらラインを巻き取る」の繰り返しが基本です。

なお、イサキは口が小さくバラしやすい魚ですから、ヒットしたら一定の間隔で巻き上げ、ロッドを上下させるポンピングは避けましょう。小さくてもランディングネットを使うとよいです。

【堤防釣り編】イサキの釣り方

続いて、堤防からカゴ釣りでイサキを釣る方法を解説します。

堤防からイサキを釣る場合は夜に狙う

上述のように、堤防からイサキを狙う場合は、基本的に上層に上がってきている夜をおすすめします。

日中でも釣れることは釣れますが、水深が深いところにいるため、堤防より磯場で狙うことが多くなります。

夜になると浅瀬に移動して来るため釣りやすくなるのに加え、餌取りとなる小魚などの外道が少なくなるため、夜の方が断然釣りやすいです。

STEP1.オキアミをカゴの8分目まで入れて、窓を調整する

まずコマセとなるオキアミをカゴの8分目まで入れて、窓を調整します。

コマセを入れすぎると海中で全然出なくなってしまいますし、逆に少なすぎると一気に出てしまい、すぐなくなるので注意してください。うまく窓を調整して、しゃくった時だけコマセが出るようにするのがコツです。

STEP2.潮通しの良いポイントにキャストし、しばらく仕掛けを流す

コマセをカゴに入れ、サシエを仕掛けたら潮通しのよいポイントにキャストします。糸ふけが出過ぎないように注意しましょう。

狙ったポイントに投げ込んだら、しばらく仕掛けを流してアタリを待ちます。堤防や磯場では、潮が強く当たって流れが出来ているポイントや、特に水深が深いポイントなどが狙い目です。

積極的に狙ってみましょう。

STEP3.反応がなければウキを調整してタナを変えてみる

しばらく待って反応がなければ、ウキの位置を調整して狙うタナを変えてみましょう。イサキ釣りではタナの調整が非常に重要です。

大量に回遊していても、狙ったタナがズレていた場合、まったく釣れないことも珍しくありません。

STEP4.アタリがあったら軽く合わせる

アタリがあったら軽く合わせます。大きな動きは必要なく、竿をくいっと上に上げる程度で十分針掛かりしてくれるので問題ありません。

逆に大きく竿を煽ってしまうと、イサキのような口が弱い魚はすぐにバレてしまうので注意しましょう。

軽く合わせたら竿をその棚から外さずにいると数釣りができる

軽く合わせたら、すぐに引き上げずに同じタナで待ってみましょう。針に掛かった魚が暴れてさらにコマセが撒かれます。

イサキは基本的に群れで行動しますから、他のイサキがコマセにコマセにつられて集まって来て、別の針に掛かることは珍しくありません。

一投で数釣りができますから、積極的に狙ってみてください。

最高に美味しいイサキを釣り上げよう

イサキの釣り方について、一般的な船釣りの仕掛けや具体的な釣法に加えて、堤防や磯場から狙う場合の釣り方まで解説してきました。

イサキといえばハイシーズンの梅雨に船釣りをするイメージが強いですが、陸からも十分狙うことができます。

初心者で「船釣りは避けたい」という人でも、堤防などから他の魚種を狙いつつ釣り上げることができますから、この機会にイサキ釣りにチャレンジしてみましょう。

すでにジギングをやっている人は、フラッシュジギングに挑戦してみるのもよいと思います。イサキだけでなく、青物やヒラメ、アジなど多様なターゲットを狙えるので特におすすめです。


この記事をシェアする